学校に行けていないのに、恋愛ばかりに気持ちが向いている子どもの様子を目の前で見ると、「このままで大丈夫なのかな」「もっと注意しないと危ないのでは」と、不安と戸惑いが入り混じりますよね。
頭では、中学生の恋愛も大切な成長の一部だと分かっていても、現実の生活リズムや将来を考えると、素直に応援する気持ちになれない…そんな複雑な心境があると思います。
実際に、中学生の不登校と恋愛が重なるケースでは、不登校からの恋愛依存やネット恋愛、ネトゲ恋愛、ひきこもりの恋愛のように、スマホやゲーム、オンラインを入り口にした関係が一気に深まることが多いです。
不登校の中学生がスマホばかりの生活になり、LINE依存や恋愛相談ばかりが増えていく様子を見ると、「このまま恋愛に逃げてしまうんじゃないか」「もし相手にひどいことを言われたら立ち直れないのでは」と、心配が止まらなくなりますよね。
このページでは、そんな不安を抱える親御さんに向けて、中学生の不登校と恋愛の現実、恋愛に逃げ込んでしまう心理、ネット恋愛やネトゲ恋愛に潜むリスク、そして恋愛依存に傾きすぎないように親ができる関わり方を、できるだけ分かりやすく整理していきます。
読み終わるころには、「全部を止めさせようとしなくていいんだ」「こういう風に声をかければいいのかも」と少し肩の力が抜けて、今日からできる小さな一歩が見えてくるはずです。一緒に整理していきましょう。
- 中学生の不登校と恋愛が絡むときの心の中を理解する
- 恋愛依存に進みやすいサインとLINE・SNSの注意点を知る
- 親が今日からできる声かけとルールづくりのコツを学ぶ
- 学校や専門家と連携しながら長期的に支える視点を持つ
中学生の不登校と恋愛の現実

ここでは、中学生の不登校と恋愛が重なるとき、子どもの心の中で何が起きているのかを整理していきます。
自己肯定感の低下や不安から恋愛依存に向かいやすい流れ、登校拒否のきっかけとしての恋愛トラブル、保健室や先生には話しにくい本音、そして母親が気づきたいLINE依存のサインまで、親として押さえておきたいポイントをまとめます。
「なんでそんなに恋愛にのめり込むの?」という疑問を、具体的な心の動きに置き換えて見ていきましょう。
自己肯定感と恋愛依存の関係
不登校になった中学生は、多くの場合「学校に行けていない自分はダメなんだ」と自分を責めやすく、自己肯定感がぐっと下がっています。
友達が学校で過ごしている時間に、自分だけ家にいるという状況が続くと、「自分だけ取り残されている」「社会から外れてしまった」という感覚が強まり、心の中に大きな穴が空いたような寂しさを抱えやすいんですね。
あなたも、お子さんがため息をついたり、「どうせ自分なんて」と口にする様子を見て、胸がぎゅっとした経験があるかもしれません。
そんなときに「君と話しているとホッとする」「優しいところが好きだよ」と言ってくれる相手が現れると、その子にとっては一気に世界が変わったように感じられます。恋愛や好意の言葉は、乾いた心に染み込む水のようなものです。
今まで感じられなかった「自分は必要とされている」「自分にも価値があるのかもしれない」という感覚を一気に取り戻せるので、気持ちが大きく揺れますし、「この人だけは手放したくない」と思いやすくなります。
ただ、ここで注意したいのが、自己肯定感の土台がまだ不安定な状態だと「自分の価値=その相手に好かれているかどうか」になりやすいという点です。
相手からの連絡が少し減っただけで一気に不安になったり、否定的な一言で「やっぱり自分なんて」と深く落ち込んでしまうのは、その象徴的な反応です。
本人にとっては、恋愛が唯一の「自分を肯定してくれる証拠」になってしまっているんですね。
ここ、親としてはとても気になるところだと思います。「そんなに振り回されるくらいなら、恋愛なんてしないほうがいいのでは」と感じるかもしれません。
でも、恋愛そのものが悪いわけではありません。問題なのは、恋愛がうまくいっているときだけ自分を肯定できる状態であり、それが恋愛依存の入り口になってしまうところです。
親が意識しておきたい支え方
親としてできるのは、恋愛を頭ごなしに否定することではなく、恋愛以外にも「自分を好きでいられるポイント」を増やしていくことを手伝うことです。
- 家の手伝いをしてくれたときに「助かったよ」「ありがとう」と具体的に伝える
- ゲームやイラストなど、お子さんが得意なことを一緒に話題にして「すごいね」と認める
- 過去に頑張ったこと、乗り越えたことを思い出して、「あの時もちゃんとやれていたよね」と振り返る
こうした積み重ねは地味ですが、「恋愛がなくても自分には価値がある」という感覚を育てるための大事な土台になります。親の言葉は、思っている以上にお子さんの心に残ります。
完璧である必要はないので、「ちょっと言い過ぎたかな」と感じた日があっても、今日から少しずつ声かけを変えていけば大丈夫ですよ。
不安が強い中学生と彼氏・彼女

不登校の中学生は、不安の感じ方も強くなりがちです。
学校に行けていないことへの不安、成績や進路への不安、クラスメイトにどう思われているかという不安……頭の中では「もしまた嫌なことが起きたらどうしよう」「みんなに変なふうに思われていたらどうしよう」という心配がぐるぐる回っています。
その中で、「彼氏だから」「彼女だから」という特別な関係は、強い安心感と同時に、大きなプレッシャーにもなります。たとえば、こんな気持ちが混ざり合っていることが多いです。
- こんな自分を好きでいてくれる人がいる嬉しさ
- 嫌われたくないから、相手に合わせすぎてしまう怖さ
- LINEの返信やスタンプ一つで気持ちが揺れてしまう不安
- 「自分だけが相手の支えにならなきゃ」という変な責任感
- 別れ話になったら、もう立ち直れないかもしれないという恐怖
不安が強い子ほど、「相手が離れてしまうかもしれない」という想像に敏感です。そのため、常に連絡を取ろうとしたり、相手の言葉の裏を読もうとしたりして、結果的に恋愛中心の生活になってしまうこともあります。
あなたから見ると「たかがLINEの既読でしょ?」と思うことも、本人にとっては「自分が捨てられるかどうかの重大なサイン」に感じられていることも多いです。
不安が強い子に効きやすい声かけ
親としてできるのは、恋愛の是非をジャッジすることではなく、お子さんの不安を一緒に言葉にしていくことです。例えば、こんな声かけをイメージしてみてください。
- 「相手の気持ちが分からないと不安になっちゃうよね」
- 「嫌われたくないって思うと、つい無理しちゃうこともあるかもね」
- 「LINEの返事が遅いと、『何かあったかな?』って気になっちゃうの分かるよ」
このように、気持ちの部分を先に受け止めてもらえると、子どもは「分かってもらえた」と感じて、少しずつ本音を話せるようになります。そのうえで、
- 「しんどくなったときに、相手だけじゃなくて、お母さん(お父さん)にも話してくれたら嬉しいな」
- 「相手に合わせすぎて、自分がボロボロになっちゃう恋愛は、ちょっと見直してもいいかもしれないね」
といった形で、自分の心を守る視点も一緒に考えていけるといいですよね。
「彼氏彼女だから全部分かり合わなきゃいけない」わけではなく、「自分の限界を守りながら付き合っていく」ことが大事なんだよというメッセージを、少しずつ伝えていきましょう。
登校拒否から始まる恋愛依存
不登校と恋愛の順番は家庭によってさまざまですが、「もともとは普通に通っていたのに、恋愛トラブルをきっかけに登校拒否が始まった」というケースもあれば、「不登校になった後、オンラインで出会った人との関係にのめり込んで恋愛依存が強まっていく」というケースもあります。
どちらにしても、恋愛が不登校をめぐる物語のどこかに深く絡んでいるパターンは珍しくありません。
前者の場合は、失恋やクラス内の噂、からかいやいじめが引き金になり、「顔を合わせるのがつらくて教室に行けない」という流れになりやすいです。
告白がクラスの話題になって笑われてしまったり、別れ話の後に友達関係までぎくしゃくしてしまったりすると、「あの教室に戻るくらいなら、家にいたほうがマシ」と感じる
後者の場合は、すでに孤立感や退屈感を抱えている中で、ネットを通じた出会いが唯一の楽しみになり、昼夜逆転やスマホ依存とセットで進んでいくことが多いです。
昼間はなんとなくダラダラ過ごし、夜になるとゲームやSNSで盛り上がり、その中で特定の人との関係が深まっていく…というパターンですね。相手が同年代でも、大人でも、「自分のことを分かってくれる唯一の人」と感じやすくなります。
どちらにしても、共通しているのは、「元々のしんどさに恋愛が上乗せされている」という点です。表面上は恋愛の話ばかりに見えても、その奥には学校でのストレスや自己評価の低下、将来への不安が隠れています。
恋愛がなければ何も問題がなかった、というよりも、「もともとしんどさがあったところに恋愛が加わって、状況が複雑になっている」と捉えたほうが、親としての見立てがしやすくなります。
原因探しではなく、今を整える視点
親としては、「恋愛のせいで不登校になった」とだけ決めつけてしまうと、どうしても恋愛そのものを敵視してしまいがちです。すると、子どもは「大事なものを全部否定された」と感じて、ますます心を閉ざしてしまいます。
原因探しだけに固執するのではなく、以下のポイントに着目しましょう。
- 恋愛の前から、どんな小さなサインがあったのかを一緒に振り返ること
- 今、子どもの心と身体にどんな負担がかかっているかを確認すること
- これ以上しんどさを増やさないために、どんな環境調整が必要かを考えること
「いつ頃から朝起きづらそうだったかな」「どのタイミングから笑顔が減ってきたかな」と、時間軸で振り返ってみると、恋愛以外の要素(部活のストレス、受験のプレッシャー、友人関係など)が見えてくることも多いですよ。
不登校の理由が分からないと感じるときは、原因整理のヒントになる「中学生の不登校の理由がわからない時の原因整理と支援策」も参考になると思います。
原因を一つに決めつけるのではなく、いくつかの要因が重なっている可能性を前提に考えてみてください。
保健室の先生やスクールカウンセラーにも話せない悩み

親から見ると、「そんなに悩んでいるなら、保健室の先生やスクールカウンセラーに相談すればいいのに」と感じることもあると思います。
学校には相談窓口もあるし、専門の先生もいる。それなのに、子どもは「別に」「大丈夫」とだけ言って、自分からは何も話そうとしない…。ここは、かなりモヤモヤしやすいポイントですよね。
でも、本人からすると、恋愛や不登校の話を学校の大人にするのはなかなかハードルが高いものです。理由としては、次のようなものがよく挙がります。
- 恋愛の話をしたら、軽く見られたり茶化されたりしそうで怖い
- 先生に話したことがクラスや親に全部伝わってしまいそうで不安
- 自分の気持ちをうまく言葉にできる自信がない
- 「そんなのよくあることだよ」と片づけられたら傷つきそう
- 相談室に行くところを友達に見られたら、「メンタル弱い」と思われそう
特に中学生は、「大人にどう見られるか」にとても敏感です。保健室や相談室が用意されていても、「自分がそこに行く姿を見られたくない」という気持ちが強くて、結局足が向かないことも多いです。
中には、「先生は『がんばれ』しか言わないから意味ない」と、一度の経験で諦めてしまっている子もいます。
家庭が「最初の相談窓口」になるために
だからこそ、家庭がまず「なんでも話していい場所」になることが重要になります。親が「学校の先生に全部任せよう」とするだけでなく、以下のような形で、つなぎ役になってあげるのも一つの方法です。
- 「もし先生に話してみようかなって思えたときは、一緒に相談内容を考えようか」
- 「先に私から先生に伝えておくこともできるよ。どうしてほしいか一緒に整理しよう」
また、いきなり「スクールカウンセラーに相談しよう」と言うよりも、以下のようにと、ハードルを下げてあげると、子どもも少し動きやすくなります。
- 「保健室の先生と雑談するくらいからでもいいかもしれないね」
- 「最初は恋愛の話じゃなくて、体調の話だけでも十分だよ」
「重たい相談をしなきゃいけない場所」ではなく、「ちょっと寄り道できる場所」として学校の相談機関をイメージしてもらうのがポイントです。
また、親自身が先生に相談するときは、恋愛の細かい内容を全部伝える必要はありません。お子さんが嫌がる場合は、
- 「最近、とても気持ちが不安定で、特定の相手との関係に悩んでいるようだ」
- 「学校に行くことを想像すると、胸が苦しくなると言っている」
など、「状態」と「心配しているポイント」に絞って共有すると、子どものプライバシーにも配慮しながら支援をお願いしやすくなります。
母親が気づきたいLINE依存
不登校になった中学生にとって、スマホとLINEは外の世界とつながる大事な窓です。クラスの連絡、友達との雑談、ゲームのやりとり、そして恋愛中の相手とのメッセージ…。
家から出なくても人間関係を続けられるツールなので、どうしてもスマホ中心の生活になりやすくなります。
だからこそ、恋愛と絡むとLINE依存が進みやすくなります。常にスマホを手放さない、既読や返信のスピードに過敏になる、夜遅くまでメッセージが続く……こうした状態が続くと、心身のエネルギーが削られていきますし、昼夜逆転も進みます。
親としては、「ただのスマホ好き」なのか「依存に近づいている」のか判断しづらいところですよね。
特に気をつけたいサインとして、私は次のようなポイントを見ています。
| サイン | 親が感じやすい違和感 |
|---|---|
| スマホを手放すと極端にイライラしたり不安そうになる | 食事中やお風呂のときまでスマホを気にして落ち着かない |
| 既読がつかない・返信が遅いだけで涙ぐんだり不機嫌になる | 理由を聞いても「別に」としか答えず、部屋にこもってしまう |
| 夜中まで通話やメッセージが続き、朝起きられない日が増えている | 約束の時間に起きられず、生活リズムが完全に崩れている |
| LINEの内容を親に聞かれると、急に攻撃的になったり動揺が激しい | 話題に触れるだけで「うるさい」「関係ないでしょ」と遮られる |
| スマホ使用時間が明らかに増えているのに、本人は否認する | 「そんなに見てない」「みんなこれくらいやってる」と話をそらす |
こうしたサインが見えると、親としては「もうスマホ取り上げるから!」と言いたくなりますよね。でも、いきなりの没収は、本人の孤立感や反発を強めてしまいがちです。
恋愛相手とのつながりまで奪われたと感じると、「親は味方じゃない」と感じてしまい、ますます本音を話してくれなくなります。
LINE依存に気づいたときのアプローチ
まずは、「最近LINEしんどそうに見えるけど、どう?」と、スマホそのものではなく子どもの気持ちのほうに焦点を当てて話を切り出すのがおすすめです。
「またスマホ?」「いい加減にしなさい」ではなく、「なんだか疲れてそうに見えるけど、大丈夫?」という切り口ですね。
そのうえで、健康面を守るためのルールを一緒に考えます。
- 夜◯時以降はスマホをリビングに置いて充電する
- ベッドの上にはスマホを持ち込まないようにする
- 通知音をオフにして、自分のタイミングでまとめて返信する習慣をつくる
上記のようなルールは、親が一方的に決めるのではなく、「どうしたらあなたの体が楽になると思う?」と問いかけながら、一緒に調整していくと納得感が生まれます。
スマホ全般の背景や対応を整理したいときは、当サイトの「不登校の中学生がスマホばかりになる原因と家庭でできる改善策」もあわせて読んでみてください。
スマホ使用そのものを悪者にするのではなく、「どう付き合えば安全か」という視点で整理するのに役立ちます。
中学生の不登校と恋愛を支える

ここからは、不登校と恋愛が絡む状況で、親がどのように子どもを支えればいいのかを具体的に見ていきます。
不登校の中学生と彼氏の距離感の整え方、恋愛依存を防ぐ母親の関わり方、LINEやSNSのルールづくりと不安対策、学校(先生・保健室)との連携のコツ、そして中学生の不登校と恋愛を親子でどう見直していくかまで、今日から使える実践的なポイントをまとめました。
「結局、親は何をすればいいの?」という疑問に、一つずつ丁寧に答えていきますね。
不登校の中学生と彼氏の距離
「不登校の中学生に彼氏がいる」と聞くだけで、親としてはドキッとしますよね。「この子の彼氏はどんな子なんだろう」「どこまでの関係なんだろう」「親はどこまで口を出していいのか」と、不安と疑問が一気に押し寄せてくると思います。
中には、親に打ち明ける前にSNSで交際が始まり、後から「実は彼氏がいる」とさらっと報告されて驚くケースもあります。
まず大事なのは、「彼氏がいること」自体を責めないことです。恋愛感情が芽生えるのは、ごく自然な成長の一部ですし、その相手との関係が子どもの心の支えになっている面も少なからずあります。
恋愛を完全に否定してしまうと、「自分の大事なものを全部否定された」と感じて心を閉ざしてしまい、かえって状況が見えづらくなってしまいます。
そのうえで、距離感を整えるうえで意識しておきたいのは、次の3つです。
- 会う頻度と時間帯を一緒に決める(夜遅くの外出は避ける)
- オンラインだけの相手か、実際に顔を知っている相手かを確認する
- 何かあったときに親や大人にすぐ相談できる関係であること
「会う頻度や時間帯」については、「週◯回以上はダメ!」と制限から入るよりも、「翌日に響かないぐらいの時間ってどれくらいだろうね?」と健康面から一緒に考えるほうが、お子さんも納得しやすくなります。
親自身が、完全に外出を禁止するのではなく、「安全な会い方」を教える役割を担うイメージです。
また、ネット恋愛やネトゲ恋愛など、オンラインで知り合った相手との関係が深くなるケースも増えています。実際に会うときは、以下のような安全面を、具体的に話しておくことがとても大事です。
- 必ず昼間に会う
- 必ず人目のある場所にする(駅やショッピングモールなど)
- 最初は親や信頼できる大人が近くにいる状態で会う
「会うな!」ではなく、「会うならこういう条件を守ろうね」というスタンスで伝えると、お子さんも相談しやすくなります。
恋愛依存を防ぐ母親の関わり

恋愛依存を防ぎたいとき、母親(もちろん父親も同じですが)の関わり方で特に大切なのは、「否定せずに受け止める部分」と「境界線を伝える部分」のバランスです。どちらか一方だけだとうまくいきません。
まず、「学校に行っていないのに恋愛なんて」と言いたくなる気持ちは、とても自然なものです。あなたの中にある心配や怒りは、「この子に幸せでいてほしい」という思いの裏返しですよね。
ただ、その言葉をそのままぶつけてしまうと、子どもは「どうせ自分の気持ちなんて分かってもらえない」と心を閉ざしてしまいます。
そんな時は、次のような声かけが有効です。
- 「好きな人がいるって、ドキドキするよね」
- 「○○と話していると安心するんだね」
- 「お母さんは、あなたの体と心が一番大事だから、ちょっとだけ心配もしているんだ」
このように、まず気持ちの部分を受け止めたうえで、「だからこそ、こういうところだけ一緒に気をつけたいな」と境界線を伝えると、子どもも耳を傾けやすくなります。
- 夜◯時以降はスマホをリビングに置く
- 知らない大人と2人きりで会う約束はしない
- 体がしんどくなったり、怖い思いをしたときは必ず親に話す
どれも、禁止ではなく「あなたを守りたいから一緒に決めたい」というスタンスで話すのがポイントです。「守るためのルール」という軸がはっきりしていると、子どもも受け取りやすくなります。
親自身のしんどさをケアすることも大事
また、親自身が「どう支えたらいいのか分からない」「もう疲れた」と感じることも当然あります。恋愛と不登校が絡むと、家庭内の会話も感情的になりやすく、気づけば夫婦げんかや親子げんかが増えている…ということも起きがちです。
そんなときは、一人で抱え込まず、当サイトでも解説している「不登校の中学生を持つ親があきらめを感じた時の心の整え方と家庭対応」のような、親側のメンタルケアを扱った情報にも触れてみてください。
「親だから我慢しなきゃ」とすべてを背負ってしまうと、ある日突然ドンと疲れが出てしまうこともあります。
親が少しでも楽になることで、子どもに向ける言葉や表情にも余裕が生まれます。完璧な親になる必要はなく、「疲れたら立ち止まってもいい」「専門家や相談機関に頼っていい」ということを、自分に許可してあげてくださいね。
LINEやSNSで深まる不安対策
LINEやSNSは、不登校の子どもにとって「居場所」になる一方で、不安を増幅させる場にもなりやすいツールです。特に恋愛が絡むと、既読スルーやコメントのニュアンスひとつで気持ちが乱れやすくなります。
「さっきまで楽しそうにしていたのに、急に顔色が変わった」「スマホを見た瞬間、涙目になっていた」…こんな場面を何度か見ている親御さんも多いのではないでしょうか。
親としてできる不安対策は、「ルールを決めること」と「相談しやすい雰囲気を保つこと」のセットです。どちらかだけではうまく機能しません。
現実的なルールの決め方には、たとえば次のようなものが考えられます。
- 夜◯時以降は通話やチャットをしない(睡眠を優先する)
- 知らないアカウントからのDMには返事をしない
- 顔や体型がはっきり分かる写真、制服姿の写真は送らない・載せない
- 何か嫌なことがあったら、すぐにスクリーンショットを残して親に見せる
ポイントは、「守れそうなライン」で決めることです。理想を言えば「夜9時以降は完全にスマホオフ」にしたいかもしれませんが、現実的には難しい場合も多いですよね。
その場合は、「通話はやめるけど、軽いメッセージだけならOK」「ベッドに入ったらスマホは手の届かないところに置く」など、段階を踏んだルールづくりを提案してみてください。
同時に、「困ったことがあったら、怒らないから一緒に考えようね」と普段から伝えておくことも、とても大切です。子どもが「バレたら怒られる」と感じていると、トラブルが起きても黙って抱え込んでしまい、深刻化しやすくなります。
特に、写真や動画が絡むトラブルは、早めに相談できるかどうかが、その後の被害の広がりに大きく関わります。
SNSトラブルや犯罪被害に関する情報は日々変化しています。例えば、こども家庭庁が公表している「青少年のインターネット利用環境実態調査」では、青少年のインターネット利用状況や利用時間、トラブル経験などが毎年詳しくまとめられています。
正確な情報は必ず公的機関の最新資料もあわせて確認し、具体的な対応や被害への対処については、最終的な判断を警察や専門家に相談しながら進めてください。
家族全員で「どう付き合うか」の方針を共有しておくと、子どもも安心しやすくなりますよ。
保健室の先生やスクールカウンセラーとの連携支援

恋愛と不登校が絡むとき、家庭だけで抱え込まず、学校の先生や保健室、スクールカウンセラーなどと連携していくこともとても重要です。
ただ、「恋愛の話まで学校にどこまで話すべきか」「先生にどう伝えたらいいか分からない」と感じて、足踏みしてしまう親御さんも少なくありません。
おすすめなのは、「恋愛の細かい内容」ではなく、「子どもの状態」と「心配しているポイント」を中心に伝えることです。すべてを赤裸々に話す必要はありませんし、お子さんが嫌がるなら配慮も必要です。
具体的には、学校側には次のような情報を共有してみてください。
- 最近、夜遅くまでスマホを使っていて、朝起きられない日が続いている
- クラス内の人間関係や噂をとても怖がっていて、教室に入ることへの不安が強い
- 特定の相手に拒絶されることへの恐怖が強く、気持ちが大きく揺れやすい
- 保健室や別室登校なら、少しなら顔を出せそうな様子がある
こうした情報があると、先生も配慮の仕方を考えやすくなります。
保健室登校から少しずつ教室に戻るステップを一緒に考えたり、からかいが起きにくい席配置を工夫したり、安心できる相談先を紹介してくれたりする
先生との連携をスムーズにするには、親自身が「橋渡し役」になる意識を持つといいかなと思います。具体的には、以下の方法があります。
- 事前にメモを用意して、伝えたいことを簡単に整理しておく
- 「子どもは今こんな様子です」「親としてこういうことが心配です」と主語を自分にして話す
- 先生に「学校でできそうな配慮」と「家庭でできそうなこと」を一緒に考えてもらう
「学校が変わってくれないと意味がない」という姿勢だけだと、どうしても対立的な雰囲気になってしまいます。
もちろん、学校側の対応に問題がある場合もありますが、まずは「一緒に考えてほしい」というスタンスから始めてみると、協力を得やすくなります。
学校とのやりとりがつらいときは、親自身も一人で抱え込まず、自治体の教育相談や民間の不登校支援機関などに相談してみてください。
「どこに相談していいのか分からない」と感じたら、まずは市区町村の教育相談窓口や、通っている学校の相談体制を確認するところからで大丈夫ですよ。
中学生の不登校と恋愛を親と見直すことのまとめ
ここまで、中学生の不登校と恋愛が絡む状況で起こりやすいこと、そして恋愛に逃げ込んでしまうリスクを親がどう防いでいくかを見てきました。最後に、親子で中学生の不登校と恋愛をどう見直していけばいいのか、もう一度まとめておきます。
まず覚えておいてほしいのは、「恋愛そのものが悪いわけではない」ということです。恋愛は、人と人とのつながりを感じる大事な経験でもあります。
うまくいったことも、失敗して傷ついたことも、長い目で見ればその子の人生の一部として、ゆっくりと血肉になっていきます。中学生の時点で「完璧な恋愛」を求める必要もありませんし、失敗も含めて、その子にとっての学びになっていきます。
一方で、恋愛が「寂しさからの逃げ場」になりすぎてしまうと、自己肯定感が恋愛相手に丸ごと預けられてしまい、別れやトラブルのたびに心がズタズタになってしまいます。
親としてできるのは、恋愛を取り上げることではなく、恋愛以外にも「自分はここにいていい」と思える居場所や、人間関係、経験を少しずつ増やしていくことを手伝うことです。
- 家の中で「何もしなくてもいていい場所」を丁寧につくる(否定的な言葉を減らす)
- ゲームや趣味、得意なことを一緒に見つけて、小さな成功体験を積み重ねる
- 親以外にも話せる大人(親戚、塾や習い事の先生、支援者)を一人でも増やす
- 本やマンガ、動画などを通じて、同じように悩む主人公に出会える機会を用意してみる
そして何より大切なのは、「いつでも帰ってこられる場所としての親」であり続けることです。
恋愛がうまくいっていても、うまくいかなくても、「あなたのことを大事に思っている人がここにいる」というメッセージを、言葉と態度の両方で伝え続けてあげてください。
あなたとお子さんのペースで、一歩ずつで大丈夫です。中学生の不登校と恋愛に揺れながらも、その経験を抱えたまま前に進んでいけるよう、これからも一緒に考えていきましょう。

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