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中学生の不登校の理由がわからない時の原因整理と支援策を徹底解説

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中学生の不登校の理由がわからないとき、親としてものすごく不安になりますよね。

「不登校の原因が見えないまま時間だけが過ぎていく」「学校に行きたくないと言うけれど、何がつらいのか教えてくれない」と、頭の中でぐるぐる考えてしまう方が多いかなと思います。

同時に、不登校の原因を調べようとして不登校の原因や不登校の対策や対応、フリースクール、不登校の相談窓口などの情報をいろいろ読みながら「どの情報を信じればいいの?」と迷子になってしまうこともあるでしょう。

そこでこの記事では、中学生の不登校の理由がわからないときに、どこから整理していけばいいのかを一緒に言語化していきます。

理由がわからない不登校の背景にありがちなパターンや親としてできる対応、学校や行政のサポート、そして「勉強だけは止めたくない」というご家庭に向けて、不登校専門の個別指導塾の活用法まで、具体的にお伝えします。

読み終わるころには、「完璧にわかった!」とまではいかなくても、「こういう順番で考えていけばいいんだな」「今日からこれだけやってみようかな」と、少し肩の力が抜けるはずです。

あなたとお子さんのペースで進めていけるよう、ゆっくり整理していきましょう。

  • 中学生の不登校の理由がわからないときに確認したい背景パターン
  • 学校に行きたくない中1の初期対応と親のかかわり方
  • 学校や相談窓口・フリースクール・行政支援の上手な使い方
  • 不登校でも勉強を止めないための不登校専門の個別指導塾の活用法
目次

中学生の不登校の理由がわからない時

中学生 不登校 理由がわからない

ここでは、理由がはっきりしないまま始まる中学生の不登校について、「学校に行きたくない中1の初期反応」から「学業・いじめ・発達特性・家庭環境」まで、よくある背景パターンを整理していきます。

お子さんの様子と照らし合わせながら、「もしかしたらこのあたりかな?」という仮説を一緒に見つけていきましょう。原因を一つに決めつけるのではなく、「こんな要素が重なっているのかも」という見方が大事かなと思います。

学校に行きたくない中1の初期対応

中1で最初に出てきやすいのが、「なんか学校に行きたくない」「朝になるとお腹が痛い」「頭が痛い」といったサインです。この段階では、本人も理由をうまく言語化できていないことがほとんど。

「クラスがいや」「友だちがいや」と言えればまだわかりやすい方で、「とにかくだるい」「めんどくさい」とだけ言うケースも多いです。ここをそのまま「怠け」と決めつけてしまうと、子どもはますます本音を言いづらくなってしまいます。

そこで、親として大事なのは、最初の数日〜数週間で「とにかく行かせる」モードに入らないことです。

ここで無理に引っ張り出してしまうと、表面的には登校できていても、心の中では安心できる場所がなくなり、より深い不登校につながるリスクがあります。

朝から怒鳴り合いになってしまうと、親子関係そのものがギスギスしてしまい、「学校どころじゃない」という状態にもなりやすいため、注意しましょう。

「行きたくない」と言われたときに意識してほしいのは、次の2つの視点です。

  • これはサボりではなく、子どもからのSOSかもしれない
  • 理由を今すぐ言葉にできなくても、おかしくない

中学生は、自分の気持ちをうまく整理して説明するのがまだ難しい時期です。「なんとなく嫌」「行こうとすると涙が出る」という感覚だけが先にあって、それを言葉にできないことも多いです。

ここで「はっきり理由を言いなさい」と詰め寄られると、「よくわからない自分はダメだ」と感じてしまい、ますます口を閉ざしてしまいますよ。

具体的な初期対応のポイント
  • 体調や睡眠リズムを優先して整える(夜更かしを一気にやめさせるのではなく、10分ずつ早めるなど現実的なラインから)
  • 「どうしたの?」より「どこがしんどい?」と具体的に聞く(体・気持ち・人間関係・勉強など)
  • 一日休ませると決めた日は、休むことを責めない(「休むなら元気に過ごしなさい」くらいのスタンスでOK)
  • 担任の先生には早めに「最近朝がつらそう」と一報を入れる(欠席の理由を一緒に考えてもらうイメージ)

さらに余裕があれば、次のような会話もおすすめです。

  • 「学校を休む日があってもいいよ。その代わり、夜ふかしだけは一緒に気をつけようか」
  • 「行きたくないって気持ちは、そのままここで話して大丈夫だよ」
  • 「行く日と休む日を、一緒に作戦会議しようか」

この段階では、「学校復帰の作戦会議」というよりも、「まずは家で安心して息を整える環境づくり」がメインです。

中学生の不登校の理由がわからないときほど、行動より先に「安心」を優先した方が、長い目で見ると回復が早くなることが多いと感じています。

不登校の原因として多い学業不振

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中学生になると、小学校まで何となく乗り切れていた子でも、一気に学習内容が難しくなります。特に数学と英語、そして定期テストのプレッシャーは大きく、「授業についていけない自分=ダメな自分」という自己否定に直結しやすいです。

通知表の評価や、周囲との比較も増えていき、「もうどうせ無理」とあきらめモードに入ってしまう子も少なくありません。

学業不振がからむ不登校の特徴としては、次のようなパターンがよく見られます。

  • テスト前になると体調不良を訴え、当日や前日になると特に行けなくなる
  • 「どうせ勉強しても無理」「頭悪いから」と言って机に向かえない
  • 塾や家庭学習の話題になるとイライラしたり、すぐ話題をそらそうとする
  • 得意だった教科まで手をつけなくなり、「オール0点でいい」と投げやりな発言が増える

親としては「少しでも勉強してほしい」「このままでは高校に行けない」と焦りますよね。ただ、ここで「勉強しなさい」「ゲームばかりしているからでしょ」と言ってしまうと、本人の自己否定感をさらに強めてしまいます。

まずは、子どもが今どんな気持ちで教科書を開けないのか、その背景を一緒に探っていくイメージを持つと良いです。

この場合、必要なのは根性論ではなく、「わかる体験」を小さく積み直すことです。「昨日より1問多く解けた」「この単元だけはだいぶわかってきた」など、本人が成長を実感できる場面を意図的に作ってあげると、心の負担が軽くなっていきます。

たとえば、次のようなステップを意識してみてください。

ステップやることの例
STEP1教科書や問題集を開くだけの日を作る(解かなくてもOK)
STEP2一番やさしいレベルの計算・単語だけを一緒に5分やってみる
STEP3「自力で解けた問題」に丸をつけて、成長が見えるようにしておく
STEP4慣れてきたら、単元をしぼってテスト対策を少しずつ始める

このとき、「どうしてこんな問題もできないの?」といった言葉は封印して、できた部分だけを拾うつもりで声をかけるのがコツです。

学習面の不安と高校受験の影響については、より詳しく「不登校中学生の成績表と高校受験対策を整理した記事」でもまとめています。成績や内申点が気になる方は、あわせて参考にしてみてください。

いじめが背景にある場合

理由を聞いても「わからない」と言い続けていた子が、あるタイミングでポロっと「実はからかわれてた」と打ち明けてくれることがあります。

いじめやからかいは、子どもにとっては「言葉にした瞬間に現実になる」と感じやすく、なかなか口に出せません。

特に、相手が「友だち」と本人が思っている場合、裏切られた感覚や恥ずかしさが強くて、なおさら話せなくなってしまいます。

いじめを疑ったほうがいいサイン

いじめが関係していそうなサインとしては、次のようなものがあります。

  • 特定の曜日や教科のある日だけ強く行きたくないと言う(例:体育や部活のある日など)
  • スマホやSNSを見たあと、急に表情が暗くなったり、泣き出したりする
  • 持ち物をやたらと気にしたり、なくすことが増える(隠される・壊される場合も)
  • 「クラス替えしてほしい」「席替えがいやだ」と繰り返し訴える
  • お風呂や着替えのときに体の傷やあざが増えている

もちろん、これらがすべていじめのサインというわけではありません。

ただ、「なんとなく様子がおかしいな」と感じたら、少しアンテナを敏感にしておくと良いです。直接「いじめられてるの?」と聞くのではなく、「最近誰かに嫌なこと言われたりしてない?」のように、答えやすい聞き方を試してみてください

子どものペースと大人のスピードのバランス

いじめが疑われるときは、「本人のペースを尊重すること」と「大人の対応の早さ」を両立させる必要があります。

子どもの前で加害側を強く批判しすぎると、かえって「これ以上話したら大事になる」と口を閉ざしてしまうケースもあるので、言葉選びには注意してあげてください。

学校への相談では、次のポイントを意識するとスムーズです。

  • 事実の経過を、可能な範囲でメモにしてから相談する
  • 「誰が悪いか」を決めるより、「この子が安全に過ごすには」を一緒に考えてほしいと伝える
  • 担任だけでなく、学年主任や養護教諭、スクールカウンセラーとも連携をお願いする
  • 話し合いの内容や約束事は、簡単でいいのでメモを残しておく

安全確保が最優先ですので、無理な登校を求めないことも含めて、担任や学年主任、スクールカウンセラーと連携していきましょう

「学校が全く動いてくれない」と感じるときは、教育委員会の相談窓口や外部の専門機関に相談する選択肢も頭の片隅に置いておいてください。

発達障害が関係するケース]

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発達障害やグレーゾーンの特性がある場合、「みんなと同じペース・同じやり方」が前提の学校生活は、とても疲れやすい環境になります。

授業中じっと座っていること、音や光、人の多さ、予定変更への対応など、1日の中で我慢していることが実はとても多いのです。

本人も「なんで自分だけしんどいのかわからない」状態になりやすく、結果として「学校に行きたくないけど、理由が説明できない」という状況が生まれます。

たとえば、次のような特性があると、理由がうまく説明できないまま不登校につながることがあります。

  • 集団の雑音が苦手で、教室にいるだけでぐったりする(聴覚過敏など)
  • 連絡事項を一度で覚えられず、忘れ物をよくして怒られる(ワーキングメモリの弱さなど)
  • 体育やグループ活動での役割が負担になりやすく、「みんなの前で失敗するのが怖い」
  • 予定変更が苦手で、行事や行動予定が変わるとパニックになる(見通しの変化が大きなストレス)
  • 興味のあることには集中できる一方、それ以外の課題に手がつかない

こうした特性は、一見「わがまま」「マイペース」に見えてしまうこともあり、周囲から誤解されやすいです。その結果、注意される回数が増え、「やっぱり自分はダメだ」という自己否定につながってしまいます。

「診断」よりも「暮らしやすさ」を優先する

発達障害かどうかにこだわるよりも、「この子はどんな環境なら少し楽に過ごせるか?」という視点で見ていくと、支援のアイデアが出やすくなります。

必要に応じて、小児科や児童精神科、発達外来などの専門機関に相談することも検討してみてください。具体的には、次のような工夫が考えられます。

  • 席の位置を廊下側や後方など、刺激の少ない場所に変えてもらう
  • 連絡事項は口頭だけでなく、プリントや写真など「見て確認できる形」で残してもらう
  • 体育や発表の場面で、本人が選べる役割を用意してもらう
  • 予定の変更がある日は、可能な限り早めに情報を共有してもらう

診断や医療的なサポートに関する情報は、地域や病院によって大きく異なります。正確な情報は各医療機関や自治体の公式サイトをご確認いただき、最終的な判断は医師や専門家にご相談ください

また、文部科学省が公表している不登校に関する全国調査(出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(政府統計e-Stat))も、全体の状況を知る上で参考になりますよ。

家庭環境と不登校原因の関係

中学生の不登校は、学校だけでなく家庭の状況とも密接に絡み合います。

親の仕事の変化、離婚や別居、引っ越し、きょうだいとのバランス、親自身の体調やメンタルの不調など、いろいろな変化が重なって、子どもが「家でも学校でも気が休まらない」と感じてしまうことがあります。

「家が原因かもしれない」と感じると、親としても胸が痛みますよね。たとえば、次のような状況は、子どもの心にじわじわと影響を与えます。

  • 親の帰宅時間が遅くなり、話す時間が減った
  • 家計の変化で、塾や習い事をやめざるを得なくなった
  • きょうだいの受験や病気で、家族の話題がその子に集中しがち
  • 大人同士のちょっとした口げんかが、ほぼ毎日のように続いている

子どもは、親が思っている以上に家庭の空気に敏感です。「自分が学校に行かないせいで、家の雰囲気を悪くしている」と感じると、余計に本音が言えなくなります

親がストレスを抱えているときほど、「大人同士で話し合う時間」「親自身が相談する時間」をどこかで確保できると、少し空気が変わってきます。

家庭を「原因探しの場」にしない

とはいえ、「家庭が悪いから不登校になった」という単純な話ではありません。私が大切だと思っているのは、「家庭を原因探しの場にしないこと」です。

過去を責めるより、「今ここから、家をどんな場所にしていこうか」を一緒に考えた方が、子どもにとっても親にとっても前向きなエネルギーになりやすいです。

家庭で意識したいポイントとしては、次のようなものがあります。

  • 親同士が子どもの前で激しく言い争う時間を減らす(愚痴は別の場所で)
  • きょうだいとの比較を避け、それぞれのペースを尊重する
  • 親自身のしんどさも、信頼できる大人や専門家に相談する
  • 家では「評価」より「安心できる雑談」を増やしていく

家庭での心の整え方や親のメンタルケアについては、当サイトの「不登校の中学生を持つ親があきらめを感じたときの心の整え方」もあわせて読んでもらえると、少し視界が開けるかなと思います。

「親も悩んでいる」「完璧じゃなくて当たり前」というメッセージを、子どもに伝えていくこと自体が、安心につながるケースも多いでしょう。

中学生の不登校理由がわからない時の支援

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ここからは、「理由がわからないまま」でも動かしやすい支援策を整理していきます。

家庭での接し方、学校や相談窓口の利用、フリースクールや行政支援、将来や高校受験の見通し、そして勉強だけは続けたいときの不登校専門の個別指導塾の活用まで、一つずつ見ていきましょう。

「すべてを一気にやる」必要はないので、気になるところから読んでもらえれば大丈夫です。

親ができる不登校対策と対応

親の対応は、不登校の回復ペースに大きく影響します。ただし、「正しい対応を全部やらなきゃ」と頑張りすぎると、今度は親自身が倒れてしまいます。ここでは、できるだけシンプルで続けやすい不登校対策を整理しておきます。

まず親が意識したいのは、「解決しようとする人」ではなく「一緒に考える人」になることです。不登校は、親の頑張りだけで一気に解決できるものではありません。

むしろ、「何とかしなきゃ」と力が入りすぎると、子どもとの温度差が広がってしまうこともあります。具体的には、次のようなスタンスが役に立ちます。

  • 「どうして行かないの?」より「今いちばんつらいのはどこ?」と聞く
  • 今日できたこと(起きられた・話せた・ご飯を食べられたなど)を言葉にして認める
  • 生活リズムは「理想の形」ではなく、「今より一歩良くなる形」を目指す
  • 親だけで抱え込まず、学校や専門機関と役割分担をする

うまくいかない日も前提に入れておくことも大切です。言いすぎてしまったときは、「さっきは言い過ぎた、ごめんね」と素直に伝えること自体が、大きな安心につながります。

「失敗してもやり直せる」というモデルを親が見せることで、子どもも少しずつ自分を責めすぎなくなっていきます。

また、親自身のリフレッシュも本当に大事です。友人とのおしゃべり、カフェで一人時間をとる、親向けのオンラインコミュニティやカウンセリングを利用するなど、「自分の心を守る動き」も、ぜひ大事にしてあげてください。

学校や不登校相談窓口の活用

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不登校になると、つい学校から距離を取りたくなりますが、「連絡は細く長く続ける」ことがとても大切です。学校は評価する場所でもありますが、本来は支援する役割も持っています。

「連絡を入れたら登校を急かされそう」と心配なときは、「今すぐの登校は求めていないので、まずは情報共有だけさせてください」と最初に伝えておくと少し気が楽です。

学校や不登校相談窓口の活用イメージは、次のような感じです。

窓口主な役割
担任・学年主任現在の様子の共有、別室登校や課題調整の相談、出席扱いの調整
スクールカウンセラー本人や保護者の気持ちの整理、学校との橋渡し役
養護教諭(保健室の先生)保健室登校の受け入れ、体調面からのサポート
教育相談窓口中立的な立場からのアドバイス、支援機関の紹介
教育支援センター・適応指導教室学校以外の学び場や居場所の提供、段階的な復帰支援

相談窓口に連絡するときは、「何を相談したらいいかわからないんですが、中学生の不登校の理由がわからないまま時間がたってしまっていて……」と、そのままの状況を伝えて大丈夫です。完璧に状況を整理してから連絡する必要はありません。

  • 最近の様子(起床時間・食事・スマホ・趣味など)をざっくりメモしておく
  • 親として心配していることを3つくらいに絞って伝える
  • 「今すぐ登校させたいわけではなく、まずは話を聞いてほしい」と前置きする
  • オンラインや電話相談があれば、最初はそちらを利用するのもOK

フリースクール利用のメリット

学校に行けない時期に、フリースクールや民間の居場所を利用するのも一つの選択肢です。フリースクールの良さは、「出欠や成績よりも、その子が安心して過ごせることを優先してくれる」点です。

「学校の代わりに行く場所」というより、「今の自分のペースで人とつながれる場所」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

フリースクールのメリットとしては、例えば次のようなものがあります。

  • 少人数で、自分のペースで活動に参加できる(今日は見学だけ、もOKなところも多い)
  • 学校とは違う友だちや大人との出会いがあり、「クラスの自分」と違う顔でいられる
  • 勉強だけでなく、ものづくりや体験活動が充実している場所もある
  • 学校との連携に慣れていて、出席扱いの相談がしやすいところもある
  • オンラインで参加できるプログラムを持っている施設も増えている

一方で、費用や通いやすさ、スタッフとの相性など、確認しておきたいポイントも多いです。見学や体験利用ができる場合は、親だけで先に話を聞きに行くのも一つの方法です。

その上で、子どもに「行ってみてもいいかも」と感じてもらえるタイミングを待ちましょう。

フリースクールの在籍が出席扱いになるかどうか、費用の補助があるかどうかは自治体や学校によって異なります。必ず学校や自治体の公式情報を確認し、最終的な判断は専門家や担当窓口に相談しながら進めてください。

行政の不登校相談窓口と支援方法

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行政の支援は、「ちょっとハードルが高そう」と感じられがちですが、親が一人で抱え込みすぎないための大事なセーフティネットです。

代表的なものとしては、教育委員会の教育相談、教育支援センター、児童相談所、子ども家庭支援センターなどがあります。

「ここまで相談していいのかな」と遠慮してしまう方も多いですが、むしろ「迷ったら聞いてください」というスタンスの窓口がほとんどです。

行政の支援を使うときのポイントは、次の通りです。

  • 「困っているのに、何を相談していいかわからない」という状態でもOK
  • 相談内容は守秘義務の範囲で扱われるので、安心して話してよい
  • 学校・医療・福祉の間をつなぐコーディネーター的な役割も期待できる
  • 長期的なサポートが必要な場合も、継続的にフォローしてもらえることがある
たとえば・・・
  • 教育支援センターでは、日中に子どもが過ごせる居場所や学習支援、カウンセリングなどを提供していることが多い
  • 児童相談所や子ども家庭支援センターでは、家庭環境や親子関係の支援を含めて相談に乗ってもらえる

行政の支援は心強い一方で、「相談したのにあまりピンとくる支援につながらなかった」という声もゼロではありません。1回で合わなければ、「別の窓口にもう一度相談してみる」という選択も持っておいてください。

どの窓口を使うか迷ったときは、まずは市区町村の子ども家庭支援センターや教育相談窓口に電話をして、「中学生の不登校の理由がわからない状態で困っている」と率直に伝えましょう。そこから適切な機関を案内してもらえることが多いです。

高校受験の対策と将来

中学生の不登校で、多くの親御さんが一番不安になるのが高校受験とその先の進路です。「このままで高校に行けるのか」「受験をあきらめるしかないのか」と、頭の中で何度もシミュレーションしてしまいますよね。

ニュースやネットで「不登校が増えている」という話題を見るたび、他人事ではなく感じてしまうと思います。ここで大事なのは、次の2つを同時に持つことです。

  • 今は心と体の安全を最優先する
  • 勉強の火だけは完全に消さない方法を考える

進路の選択肢は、全日制高校だけではありません。定時制高校や通信制高校、フリースクールと高校の併用、高卒認定の取得など、ルートはいくつもあります

今すぐ全部を決める必要はないので、「年内はここまで見通せたら十分」というように、時間軸を区切って考えると少し楽になります。「今は生活リズム」「次は勉強の土台」「その次に志望校」というように、ステップを分けて考えてあげてください。

将来や進路の整理には、当サイトの「不登校でも将来に絶望しないための進路と対処法」も参考になると思います。場合によっては、進路相談に強いカウンセラーや、通信制高校・サポート校の相談窓口を利用するのも選択肢の一つですよ。

不登校専門の個別指導塾活用の利点

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「学校には行けないけれど、勉強だけは止めたくない」「進路のためにも、最低限の学力は維持しておきたい」というご家庭にとって、不登校専門の個別指導塾はとても心強い選択肢になります。

不登校専門の個別指導塾を利用することで、「塾があることで生活のリズムが整った」「勉強の不安が減った」という声も聞こえてきます。

一般的な塾と違い、不登校専門の個別指導塾は、次のような特徴を持っていることが多いです。

不登校専門の個別指導塾の特徴
  • 通塾・オンライン・振替など、体調やメンタルの波に合わせてスケジュール調整しやすい
  • 勉強だけでなく、生活リズムや自己肯定感の回復も一緒に見てくれる
  • 学校との連携や、出席扱い制度について相談に乗ってくれる場合もある
  • 「今日はここまでできたね」と、小さな成功体験を一緒に積み上げてくれる

不登校でも勉強の火を完全に消さずにおくことは、子どもにとって「まだ自分にはできることがある」という実感につながります。これは、進路面だけでなく、メンタル面の支えとしても大きいと感じています。

塾選びでチェックしたいポイント

もちろん、すべての不登校専門の個別指導塾が同じクオリティというわけではありません。体験授業や面談では、次のようなポイントを確認してみてください。

  • 不登校の背景やメンタル面への理解があるか(講師研修や実績など)
  • 「行けない日」があったときのフォロー体制があるか(オンライン振替・自習サポートなど)
  • 勉強の遅れだけでなく、生活リズムも一緒に考えてくれるか
  • 親向けの相談やフィードバックの時間が確保されているか

不登校と塾の関係性については、塾の怖さや選び方を詳しく解説した「不登校でも塾が怖いと感じる子のための塾選びガイド」も参考になると思います。

費用やコース内容は塾によって大きく異なります。料金体系やサービス内容は必ず各塾の公式サイトや資料で確認し、最終的な判断は体験授業や面談を通じて、お子さんと一緒に検討してください

不登校専門の個別指導塾のおすすめを、以下に2つ紹介します。

名称概要
キズキ教育塾不登校・高校中退などに対応する完全1対1の担任制。110分授業で、通塾・オンラインを自由に選択可能。学び直しと進路支援を一体化し、大学受験・定時制・通信制進学まで幅広く対応。
ティントル不登校専門のオンライン個別指導。30分単位で授業を設計でき、録画による復習機能も備える。講師と専任サポートチームが連携し、学習支援とメンタルケアを両立する仕組み。

中学生の不登校原因と理由がわからない親のまとめ

中学生の不登校の理由がわからないとき、親としては「早く原因を突き止めなきゃ」と焦ってしまいがちです。

でも実際には、はっきりとした一つの原因が見つからないケースの方が多く、いくつもの小さな要因が積み重なって今の状態になっていることがほとんどです。

この記事でお伝えしてきたように、学校に行きたくない中1の初期対応、学業不振やいじめ、発達特性、家庭環境、学校や行政の相談窓口、フリースクール、そして不登校専門の個別指導塾など、できることは一つではありません。

中学生の不登校の理由がわからない状態でも、「安心できる家庭をつくること」と「勉強の火を消さない工夫」を両立させていくことで、少しずつ前に進んでいけるでしょう。

今の時点で全部を完璧にやる必要はありません。まずは、今日からできそうなことを一つだけ選んで、小さく試してみてください。試行錯誤を重ねること自体が、お子さんにとって「一緒に考えてくれる大人がいる」という大きな安心になりますよ。

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この記事を書いた人

私は作業療法士の資格を有して、10年以上が経過しています。作業療法士として、心理学を学んでおり、人の気持ちに寄り添いながら仕事をしています。その知識と経験から、不登校でお悩みの方に向けて少しでもお手伝いができればと思い、当サイトを立ち上げました。少しでも、不登校の子どもを持つ親御さんの不安が解消できれば幸いです。

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