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不登校の中学生に読ませたい本|親子で読みたい前向きになれる本を厳選

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不登校 中学生 読ませたい本アイキャッチ

不登校の中学生にどんな本を読ませたいのか、親としてすごく迷いますよね。

勉強の本なのか、気持ちを分かってくれる物語なのか、それとも将来へのヒントになる本なのか……検索してみると、不登校の本を探す中学生向けの小説や中学生の不登校に悩む親向けの本など、いろいろな情報が出てきて「結局どれを選べばいいの?」となりがちです。

このページでは、「今のあなたの子どもに合いやすい本」を整理して紹介していきます。

中学生本人が読んで「自分だけじゃない」と感じられる本、親が読むことで関わり方のヒントが見つかる本、マンガや絵本のようにハードルが低く手に取りやすい本まで、タイプ別にまとめました。

本は、学校や友だちとはまた違うかたちで子どもの味方になってくれます。直接アドバイスしてくれるわけではないけれど、「そうそう、こういう気持ちなんだよ」と代わりに言語化してくれたり、「この人もこんな時期があったんだ」と未来のイメージを見せてくれたりします。

ここで紹介する本を入り口に、子どもも親も少しだけ気持ちが軽くなって、「じゃあ、次はどうしようか」と一緒に考えられる状態をつくっていけたらうれしいです。

  • 不登校の中学生に合う本の選び方のポイント
  • 中学生本人向けの小説・児童書・絵本のおすすめ
  • 親が読むと気持ちと対応が整理される支援本
  • マンガや実話を通して前向きな一歩を踏み出すヒント
目次

不登校の中学生に読ませたい本選びのポイント

まずは、不登校の中学生に読ませたい本を選ぶときのポイントからお伝えします。「どの本が正解か」よりも、「今の子どもの状態とペースに合っているか」がすごく大事なんですよね。

気持ちがすり減っているときに、難しい自己啓発書や勉強本を渡されても、なかなか心には入ってきません。逆に、短い絵本やマンガでも、「今の自分を分かってくれる」と感じられれば、その一冊が大きな支えになることもあります。

不登校中学生向け小説の選び方

不登校中学生向けの小説を選ぶとき、「共感できる登場人物がいるかどうか」と「読後に少しだけ希望が残るかどうか」を重視しましょう。ここ、かなり大事なポイントですよ。

主人公に自分を重ねられるかどうか

たとえば、かがみの孤城』(辻村深月)は、学校で居場所をなくした中学生のこころが主人公です。

部屋に閉じこもっている子でも、「こころと自分が重なる」と感じて読み進めやすい作品ですし、登校しない仲間たちが少しずつ心を開いていく過程は、不登校の子どもにとって「一人じゃない」という感覚をくれる物語になりやすいです。

少し静かな物語が合う子には、西の魔女が死んだ』(梨木香歩)もおすすめです。自然の中で過ごす時間や、何もしなくてもいい日々が描かれていて、「頑張れない自分でも大丈夫なのかもしれない」と感じやすいんですよね。

ページ数もそれほど多くないので、活字へのハードルが高い中学生にも手が伸ばしやすいです。特に、朝起きるのもしんどい時期は、「何もしないことを許してもらえる時間」が心の回復に直結することが多いと感じています。

現実逃避ではなく「心の避難場所」になる作品を

一方で、保健室経由、かねやま本館。』(松素めぐり)のように、ファンタジー要素が入った作品は、現実がしんどい子にとって「心の避難場所」になってくれます。

保健室から温泉宿に通うという設定は、「教室にはいられないけどどこかには行きたい」という子の気持ちにフィットしやすいです。

ただの現実逃避ではなく、「しんどさを抱えたままでも安心していられる場所」を物語の中に用意してくれている感覚に近いですね。

将来へのイメージを少しだけ広げる小説

将来への希望を背中から押してくれるタイプとしては、シアター!』(有川浩)もいいですね。

いじめから離れ、演劇をきっかけに自分の居場所を見つけていくストーリーなので、「今の学校だけがすべてじゃないかも」という視点をそっと渡してくれます。

舞台に立つことに興味がなくても、「好きなことに本気で向き合うと、こんな世界が開けるんだ」と感じやすい一冊です。

小説選びのポイント
  • 主人公の年齢や悩みが、子どもの状況に近いかどうか
  • つらい描写だけで終わらず、最後に少し希望が残るか
  • 文章量と難易度が、今の子どもの読む力に合っているか
  • 「読みなさい」ではなく「合いそうならどう?」と手渡せる一冊か

本の内容がどれだけ良くても、「難しくて読めない」「暗いだけで苦しい」と感じてしまうと逆効果です。最初は、とにかく読みやすくて、共感しやすいものから試してみるのがおすすめですよ。

親が先に少し読んでみて、「ここ、まさに中学のころの私みたいでさ…」と、感想を一言そえて渡すと、子どもも構えずに受け取りやすくなります。

不登校中学生向け絵本の活用

中学生になると「絵本なんて子どもっぽい」と感じる子もいますが、心がしんどいときほど、私はあえて絵本をすすめることが多いです。

理由はシンプルで、短くて負担が少ないのに、感情をじんわり受け止めてくれる力が強いからです。ここ、親から見ると少し意外かもしれませんが、本当に大きいポイントなんですよね。

絵本が「心のリハビリ」になる理由

たとえば、おこだでませんように』(くすのきしげのり)は、怒られてばかりの男の子の気持ちが丁寧に描かれています

「本当はちゃんとやりたいのにうまくいかない」「分かってほしいのに伝わらない」という気持ちは、不登校の中学生にもかなり響きやすい部分なんですよね。

文字数は少ないのに、まるで自分の胸の内をそのまま代弁してくれているように感じる子もいます。

翻訳絵本の『まって』(ポーティス作)は、待つこと・待たせることの感覚を、言葉少なめのやさしい絵で伝えてくれます

「急がせる側」だった親が、「待つ側」の視点を少しだけ持てるようになるきっかけにもなるので、親子で一緒に読むのもとてもおすすめです。

読み終わったあとに、「私は待つのが苦手だったかもしれないなあ」と親がぽつりと感想を言うだけでも、子どもにとっては大きなメッセージになります。

絵本を中学生に手渡すときは、「これ、私が読んで泣きそうになったやつなんだけど、よかったら見てみる?」のように、子ども扱いではなく「大人にも刺さる本」として紹介すると受け取りやすくなります。

逆に、「あなたまだ絵本くらいしか読めないでしょ?」という雰囲気が少しでも出てしまうと、年齢的なプライドが傷ついてしまうこともあるので注意したいところです。

絵本を活かすちょっとした工夫

絵本は、ただ読ませるだけでなく、親子のコミュニケーションのきっかけとして使うと効果がぐっと高まります。

たとえば・・・
  • リビングのテーブルの上にそっと置いておく
  • 親が先に読んで、印象に残ったページをスマホで撮っておく
  • あとで子どもと雑談しているときに「このページがさ、なんかあなたっぽくて好きだった」と軽く話題に出す

こうした小さな工夫だけでも、「説教ではなく、同じ本を共有している感じ」が出て、子どもも心を開きやすくなります。勉強の本や自己啓発書に比べて、絵本は「開くハードル」がとても低いです。

何ページも読めない状態のときこそ、絵本が心のリハビリになってくれることも多いですよ。

中学生不登校と親向け本の特徴

不登校の中学生に読ませたい本を探していると、同時に「親の私も何か読んでおきたい」と感じる方が多いはずです。ここで役立つのが、中学生の不登校に悩む親向けの本です。

親向け本の良さは、子どもの様子だけを見ていると「わからない」「不安だ」と感じていたことが、少しだけ整理されて見えてくるところにあります。

たとえば、登校しぶり・不登校の子に親ができること』(下島かほる)は、不登校の経過を「開始期・ひきこもり期・回復期」と段階的に整理してくれているので、「うちの子はいま、どのあたりにいるんだろう?」と見立てやすい一冊です。

具体的な声かけや、学校との連携のしかたも分かりやすく書かれていて、「とりあえずここからやってみよう」と思える具体案が見つかりやすい構成になっています。

親の心を支える本の役割

また、子どもが不登校になったら読む本――すべて解決できる“笑顔の処方箋”』(RIKA)は、親自身の心の整え方にフォーカスした本です。

つい「どう対応するか」ばかり考えて追い込まれがちな親に、「まず親が笑顔でいることの意味」を思い出させてくれます。

「笑顔でいなきゃ」と無理にポジティブになるのではなく、親自身が自分のしんどさも認めたうえで、少しだけ心の余裕を取り戻すためのヒントがたくさん書かれているイメージです。

体験談として読みやすいのが、子どもが不登校になっちゃった!』(ラン)です。実際に不登校の子どもを育てた母親の目線で書かれているので、「あるある…」と共感しながら読めて、肩の力が抜ける方も多い印象です。

理屈よりも、「同じように悩んでいる人がいる」と感じたいタイミングには、こういう本が特に効きます。

複数の視点から学べる本も活用したい

さらに、複数の専門家や親の声をまとめた『学校に行かない子との暮らし』(岡崎勝・編著)は、「いつまで待てばいいの?」「将来は?」といった、よくある不安をテーマごとに整理してくれます。

学校の先生の視点、親の視点、支援者の視点などがミックスされているので、いろいろな立場の人の意見を知りたい親御さんに特におすすめです。

親向け本でチェックしたいポイント
  • 中学生年代の事例がしっかり載っているか
  • 「正解の押し付け」ではなく、選択肢を示してくれるか
  • 読み進めたときに、親の罪悪感を必要以上に刺激しないか
  • 読み終わったあと、少しでも気持ちが軽くなりそうか

不登校の親向け本は、どれも「良さ」が違います。対応のノウハウを知りたいのか、自分の気持ちを支えてほしいのかによって、選ぶ一冊を変えてみるとしっくりきやすいですよ。

なお、制度や統計の最新情報は、文部科学省が公表している調査結果などの一次情報もあわせて確認しておくと安心です。(参考:出典:文部科学省「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」

不登校子ども元気になる本の傾向

「不登校の子どもが元気になる本」という視点で見ると、いくつか共通点があります。どの本も、「今のしんどさを否定せずに、そのままの自分を認めてくれる」という点を大事にしているんですよね。

ここが抜けてしまうと、どれだけ前向きなメッセージが書かれていても、「自分はダメだ」と逆に落ち込んでしまうこともあります。

文章中心の本なら、暗闇でも走る』(安田祐輔)は、不登校や発達障害の経験から、塾を立ち上げるまでの道のりが描かれています。

「不登校=終わり」ではなく、むしろそこから人生が展開していくリアルなストーリーなので、中高生本人が読んでもかなり刺さりやすい本です。親にとっても、「こんな生き方もあるんだ」と視野が広がる一冊になります。

どの本にも言えるのは、「読んだ瞬間に元気いっぱいになる魔法の本」ではなく、「少しずつ前向きさが戻ってくるための栄養」として付き合うのがちょうどいい、ということです。

読み終わったときに、たとえ行動が変わらなくても、「なんとなくちょっと気持ちがラクになったかも」くらいの変化があれば、それで十分価値があります。

あくまで本は「きっかけ」のひとつです。将来や勉強の不安が強い場合は、進路や学び方を丁寧に整理した「不登校でも将来に絶望しないための進路と対処法」も参考になると思います。

不登校中学生向け漫画の魅力

不登校中学生向けの本を選ぶとき、最初の一歩としてマンガは本当に心強い存在です。活字の本に比べて、ストーリーに入り込みやすく、読書に苦手意識がある子でも手に取りやすいからです。

ここは、親世代と子ども世代で感覚のズレが出やすいところでもありますが、今の中学生にとってマンガは立派な「情報源・感情の整理ツール」になっています。

キングダム』のような熱いバトル系の作品は、直接「不登校」を扱ってはいませんが、仲間との絆や挫折からの立ち上がり方を学べる点で、「間接的に元気をくれるマンガ」と言えます。

テストや受験に置き換えて読む子も多いですし、「主人公があそこまでやってるなら、自分も少し何かしてみるか」という気持ちになる子もいます。

一方、ドラゴン桜』は、劣等生と呼ばれる生徒たちが、周りからの偏見や自分へのあきらめを乗り越えていく物語です。

「今は不登校だけど、勉強をやり直すタイミングが来たら、こういうやり方もあるんだ」と具体的なイメージが湧きやすく、高校受験を考え始めた不登校中学生にはとても相性が良いマンガです。

勉強へのハードルが下がり、「やってみたら意外と楽しいかも」と感じやすい構成になっているのもポイントです。

マンガを選ぶときのコツ
  • 「努力しろ」と押しつけるトーンが強すぎないものを選ぶ
  • 子どもがもともと好きなジャンル(スポーツ、歴史、学園ものなど)から入る
  • 親の価値観で禁止する前に、一度は自分でも読んでみて雰囲気を確かめる
  • 1巻だけ試して、合わなければ無理に続刊を揃えない

スマホやゲーム時間が長くて心配なときは、まず「完全にやめさせる」のではなく、「その一部をマンガや本に置き換える」イメージを持つと、子どもも受け入れやすいです。

不登校の中学生がスマホばかりになってしまう背景や整え方については、当サイトの「不登校の中学生がスマホばかりになる原因と家庭でできる改善策」もあわせて読んでみてください。

不登校の中学生に読ませたい本おすすめ一覧

ここからは、不登校の中学生に読ませたい本を、タイプ別に具体的に紹介していきます。中学生本人向け、親向け、マンガ・絵本など、家庭での目的に合わせて選べる形にしているので、気になるところから読んでみてください。

「絶対にこの一冊!」というよりも、「このタイプなら、今のうちの子に合うかも」という感覚で眺めてみてもらえるといいかなと思います。

不登校の中学生に合う共感小説

不登校の中学生に合う共感小説として、まず真っ先に挙げたいのが『かがみの孤城』です。

学校でのいじめや孤立感から部屋にこもった主人公こころが、鏡の向こうの城で自分と似た境遇の仲間と出会う物語で、不登校の子どもが「こころのモノローグ」に深く共感しやすい作品です。

「教室に行けない日が増えてきた」「友だち関係がしんどい」と感じている子なら、かなり心に刺さりやすい一冊だと思います。

読みやすさを重視するなら、『西の魔女が死んだ』も外せません。

祖母との静かな暮らしの中で「何もしない時間」が肯定される感覚は、不登校の子が抱えがちな「学校に行っていない自分はダメなのでは」という思い込みを、ゆっくりほどいてくれます。

自然の描写も美しく、読み進めるうちに、心の呼吸が少し深くなるような物語です。

また、いじめや孤立から「新しい世界」に踏み出すストーリーとして、『シアター!』も中高生に人気があります

舞台芸術という別の居場所で自分を取り戻していく過程は、不登校を経験している子にとって、「学校以外にも居場所がありうる」という具体的なイメージをくれます。

「好きなことを突き詰めていけば、自分の居場所って作っていけるのかも」と思えると、将来への見え方も少し変わってきますよ。

作品名こんな子に合いやすい読みやすさ
かがみの孤城いじめ・人間関係で教室がつらい子文庫上下巻でやや長め
西の魔女が死んだ静かな物語が好き、自然が好きな子短めで文章もやさしめ
保健室経由、かねやま本館。ファンタジーが好き、きょうだい関係に悩む子児童書レーベルで読みやすい
シアター!演劇・表現活動に興味がある子登場人物多め・物語に厚みあり

なお、小説の選び方には個人差が大きく、ある子にとっては救いになる描写が、別の子にはつらく感じられることもあります。

「読んでみてしんどそうなら、いつでも途中でやめていいよ」と最初から伝えておくと、子どもも安心して本に向き合いやすくなります。

不登校中学生に役立つ児童書

不登校中学生に役立つ児童書としては、「考える力」を育てつつ、自分のペースで読み進められる本を選ぶのがおすすめです。

中学生向けの新書や専門書はどうしてもハードルが高くなりがちなので、その間をつないでくれる位置づけとして児童書をうまく使っていくイメージですね。

その一つが14歳からの哲学』(池田晶子)です。「生きるって何?」「なぜ勉強するの?」といった、思春期ならではのモヤモヤに、やさしくも本格的な哲学の視点で向き合ってくれる一冊です。

すべてを通読しなくても、気になる章だけつまみ読みしても十分に価値があります。「大人の答え」を押し付けてくるのではなく、「あなたはどう思う?」と問いを返してくれる本なので、自分の頭で考える感覚を取り戻したい子にも向いています。

さらに、心のハードルが高い子には、先ほど紹介した絵本『おこだでませんように』や『まって』のような、「短くても芯に届く」タイプの本から入っていくのも十分アリです。

中学生だからといって、必ずしも分厚い本を読まなければいけないわけではありません。「今日はこれだけ読めた」が積み重なると、それだけでもかなり大きな一歩になります。

児童書をすすめるときのポイント
  • 「子どもっぽい本」ではなく、「大人にも刺さる児童書」として紹介する
  • 親も一緒に読んでみて、気に入ったフレーズを自然な会話の中でシェアする
  • 読み切りや短編集など、達成感を得やすい形式から始める
  • 勉強本よりも、「自分の気持ちを整理できる本」を優先してもOKと考える

勉強への不安が強いときには、進路や学び方を整理した記事と児童書を組み合わせて使うと効果的です。

たとえば、将来が不安でなかなか一歩が出ない場合は、進路や仕事の選択肢を整理したガイドを読んだうえで、『14歳からの哲学』のような本で「自分はどうしたいか」をじっくり考える流れにすると、頭も心もバランスよく整ってきます。

親向けの中学生支援本

親向けの中学生支援本は、「情報」と「感情」の両方を支えてくれるものをバランスよく選ぶのがポイントです。

情報だけだと疲れてしまうし、感情だけだと「じゃあ実際どうしたらいいの?」となりがちなので、この両輪を意識して本を選んでみてほしいなと思います。

情報面では、『登校しぶり・不登校の子に親ができること』がとても実践的です。不登校の段階や、家庭での声かけ、学校とのやり取りのコツが整理されているので、「まず何から手をつければいいのか」が見えやすくなります。

教師目線と親目線の両方を持って書かれているので、「学校側がどう考えているのか」もイメージしやすくなるのが特徴です。

感情面の支えとしては、『子どもが不登校になったら読む本――すべて解決できる“笑顔の処方箋”』や、『子どもが不登校になっちゃった!』のような本が役立ちます。

自分と同じように悩んできた親の声を読むことで、「自分だけが失敗しているわけじゃない」と思えることが何より大きいんですよね。罪悪感でいっぱいになっているときこそ、「うちもそうだったよ」というリアルな声が救いになります。

ゲーム・ネットとの付き合い方を学ぶ本

ゲームやスマホ時間が長くて心配な場合は、ゲーム依存からわが子を守る本も一度目を通しておきたい一冊です。ゲームだけを悪者にしない視点や、ゲームの裏にある子どものSOSに目を向ける大切さが分かりやすく書かれています。

「とにかく取り上げればいい」という単純な話ではないことが、具体例を通じてよく分かると思います。

そして、『暗闇でも走る』のように、不登校経験者本人がその後どう生きてきたかを知る本は、「この先、本当に大丈夫なの?」という親の不安をやわらげるのに大きな力を持っています。

将来のリアルな姿を知ることで、「いま無理に学校へ戻そうとしなくても、ちゃんと道はつながっていくかもしれない」と感じやすくなるでしょう。

不登校中学生が前向きになる漫画

不登校中学生が前向きになる漫画として、ここでは改めて『キングダム』と『ドラゴン桜』の2作品を軸にお話しします。どちらも「不登校」を直接テーマにしているわけではありませんが、「もう一度やってみようかな」と思えるエネルギーをくれる作品です。

キングダム:何度倒れても立ち上がる物語

『キングダム』は、中国戦国時代を舞台にした長編で、最初は歴史に興味がなくても、読み進めるうちに「信(しん)がひたすら前を向いている姿」に引き込まれやすい作品です。

劣勢の状況でも「もう一手」を探し続ける姿勢は、受験や将来に悩む中学生にも響きます。「あの状況に比べたら、自分もまだやれることがあるかも」と感じる子も少なくありません。

ドラゴン桜:勉強へのイメージを塗り替える

『ドラゴン桜』は、勉強への苦手意識が強い子にとって、「勉強=才能ではなく、戦略と環境で変わるもの」という新しいイメージをくれるマンガです。

不登校で学校の授業についていけていない子でも、「今からでも巻き返せるかもしれない」と感じられるような具体的な勉強法がたくさん出てきます。「自分はもう手遅れだ」と思っている子ほど、このマンガから得られる気づきは多いです。

どちらの作品も、「すぐに行動しなきゃ」と急かすタイプではなく、読んでいるうちに「ちょっとやってみようかな」と自然に思える仕掛けがあるのが良いところです。

長編マンガは巻数も多いので、「全部揃えなきゃ」と構えなくて大丈夫です。最初の数巻だけを中古や電子書籍で試してみて、子どもがハマったら少しずつ増やしていくくらいの感覚でOKですよ。

不登校中学生に読ませたい本のまとめ

この記事を通して伝えたいことの一つは、「本そのものが子どもを変えてくれる」というより、「本をきっかけに、子どもと親の対話が少しずつ変わっていく」ことが大事だということです。

読ませたい本を押しつけるのではなく、「これ、私もよかったから、合いそうなら読んでみる?」くらいの距離感で渡してあげると、子どもも安心しやすいでしょう。

もう一つは、本の選び方に「正解」はありません。状態がしんどいときは絵本やマンガ、少し元気が出てきたら小説や哲学書、親自身は親向けの本で支えを得るなど、その時々で必要な本は変わっていきます

迷ったら、「今のうちの子がいちばん楽に手に取れそうなもの」を基準に選んでみてください。難しい本を読ませることより、「これなら読めるかも」と子どもが思えることのほうが、長い目で見て大切です。

そして、不登校や進路、勉強に関する不安は、本だけで解決しようとしなくて大丈夫です。このサイトでは、進路や受験、将来の選択肢についても詳しくまとめています。

不登校の高校受験や進路が気になる場合は、「不登校の高校受験で焦らないための進学サポートガイド」などもあわせて読んでみてください。

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この記事を書いた人

私は作業療法士の資格を有して、10年以上が経過しています。作業療法士として、心理学を学んでおり、人の気持ちに寄り添いながら仕事をしています。その知識と経験から、不登校でお悩みの方に向けて少しでもお手伝いができればと思い、当サイトを立ち上げました。少しでも、不登校の子どもを持つ親御さんの不安が解消できれば幸いです。

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