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不登校の兄弟の悩みと親が今日からできる具体策や大切な心構えを完全解説

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不登校 兄弟 アイキャッチ

きっと今、あなたは不登校の兄弟への影響や、兄弟で不登校になる家庭の不安、親としてどう向き合えばいいのかを知りたくてここに来てくれたのかなと思います。

さらには、家の中でのストレス、不登校の兄弟連鎖が起きないかなど、頭の中でいろいろな心配がぐるぐるしているのではないでしょうか。

実際、不登校の兄弟がいると、家庭全体の空気が張りつめたり、兄弟の中で辛い思いを抱え込んでしまったりしやすいですし、その一方で親自身もどう支えればいいのか分からず、対応に悩みやすいです。

不登校の兄弟への対処法を落ち着いて整理しておくことは、あなた自身の心を守るうえでもとても大切だと感じています。

この記事では、不登校と兄弟にまつわる感情や行動の変化をひとつひとつ言葉にしながら、兄弟で不登校が連鎖しやすい場面と家庭での予防策、不登校の兄弟をめぐる親のストレスと具体的な対処法、そして学校や支援機関との連携のポイントまで、順番に整理していきます。

読み終わるころには、「全部を完璧にやらなくていいけれど、ここから少しずつ動き出してみようかな」と思えるヒントを持ち帰ってもらえるはずです。一緒に整理していきましょうね。

  • 不登校の兄弟に起こりやすい心の変化とその背景
  • 兄弟で不登校が連鎖しやすい場面と家庭での予防策
  • 不登校の兄弟をめぐる親のストレスと具体的な対処法
  • 兄弟関係を守りながら学校や支援機関と連携するコツ
目次

不登校の兄弟に生じる課題と理解

不登校 兄弟

まずは、不登校の兄弟がいるときに家庭の中でどんな変化が起こりやすいのかを整理していきます。

兄弟で不登校になる家庭の背景や、恥ずかしい、ストレス、ずるいといった感情の揺れ、さらには不登校の兄弟連鎖が起こる仕組みまでを知ることで、原因不明のモヤモヤが少し言葉になるはずです。

「うちだけの問題なのかな」と感じていたことが、「どこの家庭でも起こりやすい反応なんだ」と分かるだけでも、少し肩の力が抜けてきますよ。

兄弟で不登校になる家庭の背景

兄弟で不登校になる家庭では、家庭の雰囲気が常に緊張気味だったり、勉強や進学へのプレッシャーが強かったり、親が忙しくて子ども一人ひとりの気持ちをゆっくり聞く時間が取りにくかったりといった環境要因が重なりやすいんですね。

もちろん、どれか一つが原因というより、小さな要因が積み重なって、子どもの心のエネルギーをじわじわ削っていきます。

もう一つ大きいのは、「家が安心できる場所かどうか」です。家が安心の拠点だと、不登校の子はエネルギーを溜め直しやすくなりますが、同時に兄弟側もホッとできて、「自分も話を聞いてもらえる」という感覚を持ちやすくなります。

反対に、家の中が常に不登校の話題でいっぱいだと、兄弟も気を張り詰めてしまい、学校に行く力がじわじわ削られていくことがあります。

「帰ってきても休まらない」「家でも不登校の話ばかり」という状態は、兄弟にとってもかなりしんどいんですよね。

ここで大切なのは、「うちの家庭環境が悪かったから兄弟で不登校になった」というふうに、自分を責めすぎないことです。

家庭の要因はあくまで一つのきっかけであって、子どもそれぞれの性格、学校の環境、友人関係、発達特性など、さまざまな要素が絡み合っています。

親だけの責任ではありませんし、「もっと早く気づいていれば…」と過去を責めても、今の状況はなかなか変わりません。ここから少しずつ整えていけば大丈夫です。

兄弟で不登校になりやすい家庭の共通点

イメージをつかみやすくするために、兄弟で不登校になりやすい家庭の特徴を整理してみます。

当てはまるからといって「ダメな家庭」という意味ではなく、「ここを少し緩めていくとラクになるポイントなんだな」と捉えてもらえたらうれしいです

兄弟で不登校になりやすい家庭のよくある傾向を、チェックリストとしてまとめました。当てはまる個数が多いほど要注意、というより「ここを意識して整えていくと楽になるかも」という目安として使ってください。

特徴家庭でよくある様子の例
家の会話の中心が不登校の話題夕食時や休日の会話が、ほぼ「学校」「欠席連絡」「進路」の話で埋まっている
勉強・進学へのプレッシャーが強いテストや成績の話題が多く、「将来のために頑張らないと」と何度も伝えている
親に物理的・精神的な余裕がない仕事や介護、家事が多く、子どもの話を落ち着いて聞く時間がほとんど取れない
「きちんと」「しっかり」が口ぐせ休むことよりも「行く努力」が重視され、「サボり」と捉えられてしまいやすい

こうした傾向の中で、子どもが「失敗できない」「休んじゃいけない」と感じていると、心のエネルギーの減りが早くなります。どこか一つでも「ここをゆるめてみようかな」と思えるところがあれば、そこから少しずつ変えていきましょう。

「全部変えないといけない」と考えると苦しくなってしまうので、まずは一つだけ、「家の中の会話に不登校以外の話題を足してみる」「テストの点数より、今日の表情を一言ほめてみる」など、小さなことから始めてみてください

それだけでも、兄弟それぞれにとっての安心感がゆっくり育っていきますよ。

不登校の兄弟が恥ずかしい気持ちの理解

不登校 兄弟2

学校に通っている側の兄弟は、「不登校の兄弟がいることが恥ずかしい」と感じることがあります。

友だちに「最近見ないね、どうしたの?」と聞かれたときに答えに困ったり、「自分の家だけが特別なんじゃないか」「うちの家って変だと思われないかな」と感じてしまったりするんです。ここ、かなり多くの子がつまずくポイントです。

この恥ずかしさの裏側には、家族を守りたい気持ちと、周りから浮きたくない気持ちが両方詰まっています

兄弟の立場からすると、「兄弟をかばいたいけれど、自分まで変に見られたくない」という板挟みの状態になりやすく、「どう答えるのが正解か分からないから、もう何も話したくない」と口を閉ざしてしまうことも少なくありません。

親としてできることは、まず「そんなふうに思っちゃう自分もいていいんだよ」と認めてあげることです。

「家族なのにそんなこと言うなんて」と責めてしまうと、兄弟は自分の気持ちを隠すようになり、結果的に家の中で一人ぼっちになったような感覚を抱えやすくなります。

「恥ずかしいと感じるのは、それだけ学校で頑張っている証拠だよね」と、気持ちの根っこを言葉にしてあげるイメージです。

恥ずかしさを受け止める声かけのコツ

具体的な場面をイメージしやすいように、声かけの例も整理しておきます。あなたなりの言い回しに変えてもらって大丈夫です。

子どもへの声掛けの例
  • 「急に聞かれて困っちゃうよね。どう答えると楽になりそうかな?」
  • 「家のことを友だちに全部話さなくていいんだよ。話すかどうかも、どこまで話すかも、あなたが決めていいからね。」
  • 「守りたい気持ちと、普通でいたい気持ち、両方あるのが当たり前だよ。」

ここでポイントなのは、「恥ずかしいと思う自分」を否定しないことです。恥ずかしさは、弱さというより「自分と家族を大事に思っているからこそ生まれる感情」でもあります。

そのことを親が言葉にしてあげると、兄弟は「この気持ちを話していいんだ」と感じやすくなります。

また、学校側ともさりげなく連携しておくと安心です。

たとえば、「兄弟が不登校のことを同級生にどう伝えるか迷っているようです」と担任の先生に一言相談しておくと、友だちへの説明の仕方を一緒に考えてくれたり、クラスの雰囲気づくりを工夫してくれたりすることもあります。

兄弟が「自分だけが矢面に立っている」という感覚から少し解放されるだけでも、心の負担はかなり軽くなりますよ。

不登校の兄弟でストレスが生まれる理由

不登校の兄弟がいると、家の中の空気が重くなりがちです。親は心配でピリピリしやすくなりますし、学校とのやりとりも増えます。

その結果、登校している兄弟側は「自分の話をしてはいけない」「これ以上負担をかけてはいけない」と我慢しがちになり、じわじわとストレスが溜まっていきます。

「自分の気持ちより、家の安定を優先しないと」と無意識に感じている子も多いです。

また、朝の時間帯に家がバタバタしたり、登校できない兄弟と登校する兄弟の温度差が大きくなったりすると、「自分だけ頑張らされている」という感覚が強まりやすくなります

制服に着替える横で、パジャマ姿の兄弟が眠そうにしている姿を見るたびに、「なんで私だけ…」という思いが積み重なっていくイメージです。その不公平感もストレスの大きな要因です。

兄弟のストレスサインを見逃さないために

ここで意識したいのは、兄弟のストレスは「わがまま」ではなく、環境から自然に生まれる反応だということです。特に、次のようなサインが続いているときは要注意です。

  • 以前よりも口数が減った、または反対にイライラした言葉が増えた
  • 頭痛や腹痛など、はっきりしない体調不良が続く
  • ゲームや動画に長時間没頭して、話しかけても反応が薄い
  • 「どうせ言っても変わらない」と、相談そのものを諦めている様子が見える

こうしたサインが見られたとき、つい「最近生意気じゃない?」「ゲームばかりして」と注意したくなりますが、まずは「最近ちょっと疲れているように見えるけど、大丈夫かな?」と、状態を受け止める声かけから始めてあげるのがポイントです。

そのうえで、「あなたの話もちゃんと聞きたいよ」というメッセージを繰り返し伝えていきましょう。

週に一回でもいいので、登校できている兄弟の話をじっくり聞く時間を作るのがおすすめです。「今日は学校どうだった?」ではなく、「今日はどんな気分だった?」と気持ち側を聞くようにすると、ストレスが少しずつ言葉になりやすくなります。

もしストレスサインが長く続いていたり、不登校の兄弟への怒りやイライラが強く出てきている場合は、学校の先生やスクールカウンセラー、地域の教育相談などに早めに相談してみてください

兄弟側のケアは、一見後回しになりがちですが、家族全体の回復には欠かせない部分です。「兄弟のストレスについても一緒に考えてほしい」と一言添えるだけでも、専門家側の視点がぐっと入りやすくなりますよ。

不登校兄弟がずるいと感じる心理

不登校 兄弟3

兄弟の本音として、とても多いのが「不登校の兄弟がずるいと感じる」気持ちです。

「自分は毎日学校に行っているのに、どうしてあの子だけ休んでいても許されるの?」「ゲームもできるし、朝ゆっくり寝られていいな」という不満は、ある意味、とても自然な感情です。

大人でも、同じ仕事量なのに片方だけ休める状況が続いたら、やっぱりモヤモヤしますよね。

この「ずるい」という気持ちを押さえつけてしまうと、兄弟は罪悪感を抱え込み、「こんなこと思っちゃダメだ」と自分を責めながらも不満は消えない、という状態になっていきます。

大事なのは、「そう感じるのは当然だよ」と、まずはそのまま受け止めることです。そのうえで、「学校に行く大変さを、私もちゃんと分かっているよ」と、兄弟の頑張りに光を当てる言葉をかけていきましょう。

「ずるい」が出てきた時の関わり方

一方で、不登校の子どもの前で「ずるい」という言葉が直接飛び交うと、今度は不登校の子が深く傷つきます。「自分のせいで家族がバラバラになっている」「みんなに嫌われている」と感じてしまうことも多いです。

兄弟同士のぶつかりが激しいときは、まず親が一人ずつ別々に話を聞き、感情の交通整理をしてあげるのがおすすめです。

  • 感情が高ぶっているときは、その場で無理に話し合いをさせない
  • 「お兄ちゃんなんだから我慢して」など、片方だけを責める言葉を避ける
  • 落ち着いたタイミングで、「あなたの頑張りも大事にしたい」と言葉で伝える

親としては、「ずるいなんて言わないの!」と叱りたくなる場面も多いと思います。でも、その一言の裏には「私はこんなに頑張っているのに」「見てほしいのに」という叫びが隠れていることがほとんどです。

だからこそ、まずは「そこまで頑張っているからこそ、ずるいって感じるんだよね」と、兄弟の頑張りを認める視点から入ってみてください。

兄弟それぞれが、「自分のつらさも聞いてもらえる」と実感できると、ずるいという気持ちは少しずつ落ち着いていきます

完全になくすことを目指すのではなく、「出てきても大丈夫」「出てきたときに受け止める場がある」という状態を作っていくイメージでいてもらえるといいかなと思います。

不登校の兄弟に見られる連鎖の仕組み

一人が不登校になると、「自分も学校に行きたくない」と感じる兄弟が出てくることがあります。いわゆる不登校の兄弟連鎖です。「兄弟で不登校になる家庭」と聞くと、親としてはとても怖く感じるかもしれません。

「次は下の子も行けなくなるのでは」「家族全員が行けなくなってしまうのでは」と、未来を悲観してしまうこともありますよね。

連鎖の背景には、兄弟が元々抱えていた学校ストレスが隠れていることが多いです。

「もともと学校がしんどかったけれど、頑張って行っていた子」が、不登校の兄弟を見て「休んでもいいのかもしれない」と気づくケースもありますし、「親が不登校の兄弟につきっきりで、自分は頑張らないといけない」と無理を重ねた結果、ある日ぽきっと折れてしまうケースもあります。

連鎖を「恐れる」から「早めに気づく」にシフトする

大切なのは、「連鎖することそのもの」を恐れすぎるよりも、兄弟それぞれのサインに早めに気づいて、相談のルートを用意しておくことです。

「しばらく朝がしんどそうだな」「学校の話題を極端に嫌がるな」と感じたら、担任の先生やスクールカウンセラーに「兄弟の方も少し疲れているようで…」と早めに一言伝えておきましょう。

そのうえで、家庭の中でも次のようなポイントを意識してみてください。

  • 兄弟も含めて、「休んでいいライン」と「頑張ってみるライン」を一緒に決めておく
  • 学校の様子だけでなく、家での表情や口数、遊び方なども一緒に振り返る
  • 「しんどいときは早めに相談していい」というメッセージを繰り返し伝える

連鎖を完全にゼロにすることは難しいですが、「早めに気づいて、早めに手を打つ」ことで、ダメージを小さく抑えることは十分にできます。

「もし連鎖してしまったらどうしよう」と不安で固まってしまうよりも、「サインが出たらこう動こう」と、ざっくりとした行動のイメージを作っておく方が、親にとっても心の安心材料になりやすいですよ。

不登校兄弟の親の対応に伴う葛藤

不登校 兄弟4

不登校兄弟がいる家庭では、親自身も大きな葛藤を抱えがちです。「不登校の子を最優先にしたいけれど、兄弟にも寂しい思いをさせたくない」「どこまで関わって、どこからは見守ればいいのか分からない」といった迷いは、とてもよく聞く声です。

頭では「どの子も同じように大事」と分かっていても、現実にはどうしても手のかかる方を優先せざるを得ない場面が多くなりますよね。

特に、兄弟の前で不登校の子をどう扱うかは悩みどころです。「甘やかしに見えないように厳しくしなければ」と考えすぎると家庭の空気がさらに重くなりますし、逆に配慮しすぎると兄弟の不公平感が強くなってしまいます。

どちらを選んでもモヤモヤが残るので、「自分の対応は間違っているのでは」と自分を責めてしまう親御さんもとても多いです。

親が限界に近い状態だと、どうしても兄弟へのまなざしも厳しくなりがちです。「こんなことで怒るつもりじゃなかったのに」と後悔する場面が増えてきたら、親のしんどさがかなり溜まっているサインかもしれません。

ここで意識してほしいのは、「すべてを一人で背負わない」ことです。学校の先生、スクールカウンセラー、地域の教育相談、医療機関など、相談できる先はいくつもあります。

「こんなことで相談していいのかな」と感じるくらいの段階で声をかけた方が、結果的に家族全員のダメージを小さくできます。

親のしんどさや支援先について、より詳しく整理しておきたい場合は、当サイトの「不登校の親がしんどい時に知ってほしい支援先とメンタルケアを解説した記事」も参考になると思います。

あなた自身の負担を軽くする視点が見つかりやすくなりますよ。「親が少し楽になること」も、十分すぎるほど大事な支援の一つです。

不登校の兄弟を支える実践策と連携

不登校 兄弟5

ここからは、不登校の兄弟とその兄弟姉妹を支えるために、家庭で実践しやすい工夫や学校・支援機関との連携方法をまとめていきます。

兄弟の喧嘩を和らげるコツや、不登校の兄弟連鎖を防ぐ家庭支援、親の対応の改善ポイント、学校との具体的な連携の進め方まで、今日から少しずつ試せる対処法を整理しておきましょう。

「全部やる」のではなく、「ここだけならできそう」というところから選んでいけば大丈夫です。

不登校の兄弟の支援方法を整える工夫

不登校の兄弟を支える支援方法を整えるとき、ポイントになるのは「家庭内の役割分担」と「支援の優先順位」です。

全部を完璧にやろうとすると、親も兄弟も疲れきってしまいます。まずは、家庭で大事にしたい軸を一つ決めるのがおすすめです。

たとえば・・・

「家庭を安心して休める場所にする」「勉強よりも生活リズムを優先する」「兄弟それぞれの話を週に一度はゆっくり聞く」など

この軸があると、迷ったときに「うちはまずここを守ろう」と判断しやすくなります。

「今日は宿題をやらせるべきか、それとも休ませるべきか」と悩んだときも、「うちの最優先は睡眠と安心だから、今日は無理に勉強はさせないでおこう」というように、ぶれない軸があるだけで、親の迷いが少し減ります

家庭で整えやすい支援方法の例

  • 週末のどこかで「家族タイム」を30〜60分だけ確保する(テレビやスマホは一旦置いて、カードゲームや雑談だけの時間にしてみる)
  • 親が交代で対応し、一人に負担が集中しないようにする(「今日はお父さんが兄弟タイム担当」などざっくりでOK)
  • 兄弟それぞれの「やってみたいことリスト」を一緒に作り、月に一つだけでも叶えてみる

また、支援方法は「不登校の子どもだけに向けるもの」ではなく、兄弟全員に向かうものとして整えると、家庭のバランスが取りやすくなります。

例えば、「誰か一人ではなく、家族全員でゆったり過ごす時間をつくる」「兄弟それぞれと一対一で話す日を決める」といった形ですね。

こうした小さな工夫の積み重ねが、結果的に不登校の兄弟も、学校に通っている兄弟も、どちらの心も守る支援につながっていきます。

生活リズムや復帰までの整え方をより詳しく知りたい場合は、当サイトの「不登校で夏休み明けからの復帰を成功に導く生活リズムと親の支援法」も参考になります。

兄弟の状況に合わせて、「うちはどのステップから始めると良さそうか」を考えるヒントが見つかると思います。

不登校の兄弟の喧嘩予防と関係調整

不登校 兄弟5

不登校の兄弟がいると、どうしても兄弟喧嘩が増えやすくなります。きっかけは些細なことでも、「また休んでいる」「自分ばかり怒られる」など、日頃の不満が一気に噴き出してしまうんですね。

親としては「また始まった…」とため息が出てしまう瞬間かもしれません。

喧嘩をゼロにすることは難しいですが、「こじらせない工夫」はできます。その一つが、家庭内のルールをシンプルにしておくことです。

たとえば・・・
  • 相手を傷つける言葉は使わない
  • 叩く・蹴るなど手が出たら、いったん別々の部屋で落ち着く
  • 喧嘩が収まった後にだけ、「何が嫌だったか」を話す時間を短くとる

上記のように、最低限のラインを決めておきます。ルールは多すぎると守れなくなるので、本当に大事なものを2〜3個に絞るイメージで大丈夫です。

こじれを防ぐための親の立ち位置

もう一つは、親が「どちらの味方にもならない」姿勢を意識することです。もちろん、明らかに一方が暴力的な場合は止める必要がありますが、そのうえで「どちらの言い分にも理由があるよね」と、両方の気持ちを聞くようにします。

  • しばらくは、兄弟同士で過ごす時間を少し短くしてみる(それぞれ別の部屋で過ごす時間を増やす)
  • それぞれと親が一対一で過ごす時間を増やす
  • 喧嘩が落ち着いた後に、「次どうしたら少し楽になりそうか」を一緒に考える

兄弟の関係は、波があって当然です。ずっとベタベタ仲良くする必要はありません。むしろ、「ぶつかっても修復できる関係」を目指すくらいの方が、現実的で安心です。

「また喧嘩してるな…」と感じたとき、「これもコミュニケーションの練習中なんだ」と少し引いた目で見てみると、親自身の気持ちもだいぶ楽になりますよ。

不登校の兄弟連鎖を防ぐ家庭支援

不登校の兄弟連鎖を防ぐには、家庭の中で「しんどさを早めに出せる空気」をつくることがとても大切です。

「しんどいと言ったら、怒られる・がっかりされる」と感じると、子どもはギリギリまで我慢してしまいます。その結果、ある日突然「もう無理」と糸が切れたように動けなくなるケースも少なくありません。

そのためにおすすめなのが、「体調」と「気分」を分けて確認する習慣です。「頭は痛くないけど、今日は人と話すのがちょっとしんどい」など、気分のしんどさも相談していいと伝えておくイメージですね。

これによって、兄弟も「まだ学校には行っているけれど、そろそろペースを落としたい」と言いやすくなります。

連鎖を防ぐうえでのキーポイントは、以下の通りです。

  1. 早めに気づく
  2. 小さく休む
  3. 一緒に振り返る

すべて完璧にやろうとせず、「今日は②だけ意識してみよう」くらいの気持ちで試してみてください。

また、兄弟の登校ペースを考えるときは、「毎日フルで行くかゼロか」ではなく、「午前中だけ」「週に何日か休む」など、グラデーションで考えると、心身への負担を減らしやすくなります

このあたりの調整については、学校側と相談しながら決めていくと安心です。最近は、別室登校や段階的な復帰を認めてくれる学校も増えています。

生活リズムや復帰のペースづくりについて具体的に知りたいときは、当サイトの「不登校からの復帰に必要な準備と親の支え方を詳しく解説した記事」も参考になります。

兄弟連鎖を防ぐうえでも、「無理のない生活リズム」を家庭で整えておくことは大きな助けになります。

連鎖を防ぐ家庭支援のチェックポイント

  • 「相談していいサイン」(例えば一言メモやスタンプなど)を家族で決めておく
  • 登校状況だけでなく、睡眠・食欲・表情を一緒に振り返る
  • 休む選択をしたときも、「よく相談してくれたね」とまずは評価する

不登校そのものは、決して珍しいものではありません。文部科学省の調査でも、小・中・高校を合わせると毎年多くの不登校の子どもがいることが報告されています。(出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」

「うちだけが特別にダメなんだ」と思い込まず、「全国的にも多くの家庭が向き合っているテーマなんだ」と捉え直してみてくださいね

不登校の兄弟への親の対応改善ポイント

不登校 兄弟6

不登校の兄弟とその兄弟姉妹を支えるとき、親の対応は少しの工夫で大きく変わります。ここでは、「ついやってしまいがちな行動」と「今日から変えやすいポイント」を整理しておきます。

完璧を目指す必要はなくて、意識できるポイントが一つ増えればOK、くらいの気持ちで読んでもらえたらうれしいです。

例えば、次のような対応は、悪気がなくても兄弟の心をすり減らしてしまうことがあります。

  • 不登校の兄弟と学校に通う兄弟を比べてほめたり叱ったりする(「あの子は行けないけど、あなたはえらい」など)
  • 兄弟の前で、「どうして行けないの?」「いつになったら行くの?」と不登校の子を問い詰める
  • 兄弟の気持ちよりも、「行けるかどうか」だけを急いで確認する
  • 親自身が限界に近いのに、「親なんだから頑張らなきゃ」と休むことを自分に許さない

一方で、次のような対応は、今のスタイルに少し足すだけでも効果が出やすいです。

  • 「今日はどんな一日だった?」と、結果ではなく経験を一緒に振り返る
  • 「あなたのペースで大丈夫だよ」と繰り返し伝える
  • 兄弟それぞれの「頑張りポイント」を具体的な行動レベルでほめる(「毎日ちゃんと起きてるね」「話してくれてうれしいよ」など)
  • 親自身が休む時間をあえて予定に入れて、「今日は早めに寝る」「今日は家事を手抜きする」など、小さく自分を守る

再登校や学び直し全体の流れを整理しておきたい場合は、先ほど紹介した復帰の記事も含めて、「復帰までのステップ」を頭の中でざっくり描いておくと安心です

ゴールまでのイメージがふわっと見えているだけでも、「今はどのあたりかな」「今日はここまでで十分かな」と、親の心の余裕が少し増えますよ。

不登校の兄弟を巡る学校連携の進め方

不登校の兄弟とその兄弟姉妹を支えるうえで、学校との連携は欠かせません。とはいえ、「何をどこまで話していいのか」「兄弟のことも一緒に相談していいのか」と迷う親御さんはとても多いです。

中には、「先生も忙しそうだし、こんなこと相談していいのかな」と遠慮してしまう方もいます。

基本的には、「担任の先生+養護教諭+スクールカウンセラー」を中心に、少しずつ情報を共有していくイメージで大丈夫です。

不登校の兄弟についてだけでなく、「兄弟の方も最近少し疲れているようで」と一言添えておくことで、学校側も兄弟の様子を気にかけやすくなります。

兄弟が教室でどう過ごしているか、家では見えない姿を教えてもらえるだけでも、親にとっては大きなヒントになります。

学校と話し合うときに意識したい3つの視点は、以下の通りです。

視点確認したい内容
情報兄弟それぞれの最近の様子、気になるサイン、家庭での工夫、子どもが大切にしているもの
環境教室以外の居場所、別室登校や時間差登校の選択肢、休み時間の過ごし方
評価課題やテストの扱い、出席扱いの条件、家庭学習の見方、学年の進み方のイメージ

この3つの視点をざっくりメモにしてから学校に行くと、面談の時間を有効に使いやすくなります。すべてを一度に確認しなくても、「今日は環境の話だけ」などテーマを絞って話してみてください

なお、制度や出席扱いの条件などは自治体や学校によって異なります。ここで触れている内容はあくまで一般的な目安ですので、正確な情報は学校や自治体の公式サイト、配布資料などで必ず確認してください。

分からない点は、その場で先生に「ここはどうなっていますか?」と率直に聞いて大丈夫です。

不登校の兄弟を見守る総まとめと今後の指針

最後に、不登校の兄弟とその兄弟姉妹を支えるうえで大切にしてほしいポイントを、不登校の兄弟に焦点を当てながらまとめておきます。

一番お伝えしたいのは、不登校の兄弟がいる家庭だからこそ、家族全員のペースを整えていくことが大切だということです。

不登校の子も、学校に通っている兄弟も、そしてあなた自身も、それぞれに頑張っている最中です。その頑張りを誰かと比べる必要はありません。

今日からできることは、ほんの小さな一歩でかまいません。「兄弟それぞれと三分だけゆっくり話す」「頑張れではなく、お疲れさまを一言足す」「しんどくなったら早めに相談していいよ」と伝える

そんな一歩の積み重ねが、時間はかかっても確実に、不登校の兄弟と兄弟姉妹の心を支えていきますよ。

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この記事を書いた人

私は作業療法士の資格を有して、10年以上が経過しています。作業療法士として、心理学を学んでおり、人の気持ちに寄り添いながら仕事をしています。その知識と経験から、不登校でお悩みの方に向けて少しでもお手伝いができればと思い、当サイトを立ち上げました。少しでも、不登校の子どもを持つ親御さんの不安が解消できれば幸いです。

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